星座の誕生

今回は星座が生まれた経緯についてお話しします。

星座はギリシャ神話が元になっている、という話ではありません。「なぜ星座が生まれたのか」についてのお話しになります。

<星の利点>
星座は、北極星を中心に円を描くように動いています。


今の私たちにとっては、なんてことない現象ですが、昔の人にとっては、この円運動はとても心強かったことでしょう。
まず動かない北極星、これによって、方角を知ることができます。
つぎにその周りの星の円運動は、「あの星がこの位置に来ているからもうすぐ夜が開けそうだな」のように時間の経過を把握することができます。そうです、夜の空全体が時計のようになっていたのです。

時間だけではありません。「夏の大三角」、「春の大曲線」と言われるように季節によって、見える星や星座は違ってきます。
つまり、「あの形の星の集まりが見えてきたということはもうすぐ桜が咲く季節がやってくるな」というように時期も把握することができるのです。

時計もコンパスもカレンダーもない古代でこの星の性質がいかに大切なものだったかを想像していただけたかと思います。

あとは、これらの知識を仲間や自分の子供にどうやって伝えていくのか。ここに星座の誕生が関わります。

<伝承の効率化>
人に何かを伝えたい、覚えてほしいとき私たちはどうするでしょうか?そのまま言っても伝わらないことありますよね?夜の空にたくさんある星にいたっては尚更分かりづらいでしょう。

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そこで昔の人は、わかりやすいように伝承を当てはめて「星座」にし、相手に興味を持ってもらい、印象づけ、そしてさらにその次の世代にも伝わりやすくしたのです。

いかがでしたか?
偉い人が、「夜の星が綺麗だし、ギリシャ神話の物語をそれに当てはめよう」なんて単純な理由では、一般の人には浸透しません。
星座にすることが便利だったから、生活の知恵として受け入れられたのです。

時計やコンパスもカレンダーもある現代の私たちにとっては、その知恵の必要性は薄れていますが、たまには星座を「鑑賞」だけでなく、あえて「道具」として活用してみるのも楽しいですね。

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